フォトグラファー
石賀 美紀子

挙式のできるフォトウェディングをやろうと思ったワケ。

2021.01

ウェディングプランナーとして沢山の新郎新婦さんやご家族に携わらせて頂きました。

家族の在り方や考え方は人それぞれで、一つとして同じ内容の結婚式はありません。

そんな中で本当に必要なもの、取り入れたいものを見極めながらプランニングをするのが

自分の核でもありました。

現在、コロナの影響で結婚式を中止されたり、延期にしたものの目処が立たず悩んで

いらっしゃる方が非常に多くいらっしゃいます。

そんなお二人やそのご家族様に是非お伝えしたいのです。

『結婚とは式を挙げることが全てではない』『大切なのは、二人が夫婦になるということ』

確かに、結婚式をすることで今までお世話になった方々へ感謝をお伝えできることは沢山

ありますし、そんな皆さんのまえで新たな人生のスタートをきれることは大変嬉しいことです。

決して結婚式を否定しているわけではありません。

そうではなく、もっとシンプルに、もっと大切なものを凝縮させた『結婚の在り方』が

あるのではないかと思ったのです。

そこでGiveseedが考案したのは『挙式のできるフォトウェディング』です。

撮影の中に挙式要素を取り入れ、単なる写真撮影だけではなくしっかりと夫婦になる自覚、

家族を築いていく覚悟を感じてもらえるフォトウェディングです。

大切に育ててくれたご両親やご家族の前で、二人の誓いをたて、承認してもらう。

家族だけで過ごす時間だからこそ、場所や服装、進行の流れでななく、心に響く時間を一番に

感じてもらいたいのです。

その中で今日は衣裳について私が思うことを綴らせて頂きます。

 

少し余談ですが、例えば冠婚葬祭のシーンで考えて見て下さい。

田舎や地方にお住まいの方は目にしたことがある方もいらっしゃると思いますが、

人がなくなったときに行われるお葬式。最近は少なくなりましたがご自宅で葬儀をされご出棺なさる際、

関係の深い方などは喪服を着られて参列されますが、ご自宅から出棺されるときには、ご近所の方が

沢山お集まりになり故人様の最期のお見送りをされます。

その時のご近所様の服装はいかがでしょう。沿道に集まってくださる方は正装ではなくとも

色や柄に配慮しつつ私服でお見送りしてくださってませんか。

それは、故人様を偲ぶ想いから最期のお見送りに来てくださっているのです。

ご当家にとっては、とても悲しいお別れではありますが、多くの人に見送って頂くことは非常に有り難く

故人様にとっては嬉しい事だと思うのです。つまり何が言いたいのかと申しますと、

服装よりも「人がひとを想う心」だと思うのです。

実際に、私自身の父が亡くなった際、同じように近所の皆様に見送られながら自宅を旅立ちました。

集まってくださった皆様のまえで喪主が挨拶をしている中、私はその光景がとても嬉しかったのです。

こんなに集まってくださって・・。ありがとうございます。ただそれだけでした。

そして、県外から参列していた叔母がこう言ったのです。

「なんていい葬儀なんだ。あんなに沢山近所の人が集まってくれて、見送ってくれるなんて幸せだね。

みんな服装も私服で、でも見送ってあげようと想う気持ちがすごく伝わってきた。

都会では会場での葬儀は一般的だからみんなそれなりに正装して参列するけど、田舎だから、

自宅だからできる最高の最期のお見送りだわ」と。

それからこの言葉が私の中にずっとあり結婚式も同じだと考えるようになったのです。

葬儀の話をしてしまいましたが、人間ならば必ず迎える節目を縁起が悪いと捉えるのではなく、

日常にある延長線上に、結婚もお別れも冠婚葬祭はあるのだということをお伝えしたいのです。

 

結婚式を迎える新婦さんがご自宅から出立される「出たち式」。

こちらもご近所の方が沢山集まって来られ、祝福の中で新郎新婦さんは出立されます。

その時も先程と同様、皆さんは私服で集まって来られます。けれどもそこにはおめでとうの

「愛」があるのです。 まさにそこに愛はあるんか?です。笑

なのでGiveseedのフォトウェディングに参加してくださるご家族様は私服でOKと考えます。

もちろん、せっかく一緒に写真を撮影するならば、挙式セレモニーを本格的にするならば

正装をして参加してくださるのも大歓迎です。その選択はお客様がお決めになられたら良いのです。

もちろん、新郎新婦様も衣裳はレンタルだけでなく、もっと自由にあって欲しいと考えます。

新郎さんは、オシャレなセットアップスーツや、ジャケットやデニムでもOK。

新婦さんはネットでドレスを購入し、自分のドレスという安心から汚れも気にせず、

好きな場所で撮影できます。何十万ものレンタル衣裳代金を払うより、リーズナブルに

衣裳を揃える方法の一つでもあると言うことです。

もちろん、ウェディングドレスに憧れを抱いている新婦さんも多くいらっしゃるので

ご自身が何にこだわりたいのか優先順位を決めておかれるといいと思います。