フォトグラファー
大塚 健一朗ブログ

大塚、カメラマンになる 1

2019.11.03

大手電気機器組み立て工場で勤務し、経済的に少しは安定した時、当時お付き合いしていた方と結婚することが決まりました。

3年間の付き合い後の結婚でした。

結婚が決まった時、彼女から言われた言葉が『私、結婚式の写真、撮ってほしいカメラマン決まってるから!』

これが、私の運命を変える人との出逢いとなりました。

車で1時間20分ほどで、そのフォトスタジオに到着しました。

店内は、沢山の綺麗なウエディングフォトが額に入れて飾られていました。その写真たちに圧倒されたのを思い出します。

奥から男性が出てきたので、

『あなたがカメラマンですか?』と尋ねると、『はい、私がカメラマンです』とおっしゃり、これが一番初めの会話でした。

隣で座っている彼女の目はキラキラ輝き、まさに憧れのアイドルと出会えた様な顔をしてカメラマンさんと話をしていました。

人見知りの私は話せず、壁に飾られている写真を眺めているだけでした。

凄いな・・・どれも素敵な写真ばかり。カメラマンって本当に近くに居るんだなぁ・・・

カメラマンと顔を合わせないよう、身体を外側に向けて写真を眺めていると、コミュニケーションを取ろうとするオーラが・・

分かればわかる程話したくない私。そしてカメラマンさんがふっとある質問をしてきました。

『ねえ、大塚さん、なんで働いているの?』

えっ?生きるためにお金いるじゃないですか。オムロ〇と言うところで働いています。

『オムロ〇聞いた事有ある。大企業だよね。凄いね。給料もいいんでしょ。

もう一回聞いていいかな?だから何の為に働いているの?』

・・・なんで働くか・・・?

『いいや!大塚さん、なんで結婚するの?』

あっ、付きあって3年ですし、貯金も溜まってそろそろかなって。

『そうなんだね。もう一回聞いていいかな?何のためにこの人と結婚するの?』

・・・なんのために結婚するか・・・

『大塚くんって、夢ってある?』

そうですね。母親と暮らしているんですが、子供も増えると乗る車も買い替えないといけなくなりますね。 趣味を作らないとって思っています。

『なるほど。大塚君は、やりたくてやりたくて心に蓋を閉じても、溢れてくるほどの想いってなにかあるの?』

・・・

・・・

3つの質問に答えれませんでした。

その時、31年間、何も考えてこなかったような気持ちになり、言葉が出ませんでした。何のために働くか・・・

そういえば最近、夜勤中、機械の音が響き機械の前に立った時、

『俺、こうやって毎日10,000個のスイッチを作って、目標達成できたらOK、出来なかったら残業してクレームきたら休日残業していくんだろな、

ずっと・・動いている設備を見ながら、ふと、なんで働いてるんだろう・・・』と考えることがあったことを思い出し、逆に質問したのです。

なんで働くんですか?

その後、カメラマンから返ってきた言葉に、頭に雷が落ちたような衝撃を受けたのです。