フォトグラファー
大塚 健一朗ブログ

2年連続 !! 国際フォトコンペティション 最優秀賞受賞!!

2022.10

世界最大規模全米写真家団体 PPA(アメリカプロフェッショナルフォトグラファー協会)

主催のフォトコンペティション。昨年同様、今年も挑戦しました。

2度目の挑戦となる今回は2作品を提出。

大変有難いことに、今年も最優秀賞を頂くことができました。ありがとうござます!

今回受賞した、それぞれの作品についてお話させて頂こうと思います。

 

⚫︎IMAGING EXCELLENCE COLLEOTION

(イメージングエクセレンスコレクション)最優秀賞受賞。

『Wind colonnade』

撮影場所 風の教会

協力   ウェディングセレクションCLEAR  NODE

 

兵庫県神戸市の六甲山にある風の教会での撮影でした。

日本を代表する建築家安藤忠雄氏が設計を手がけた「教会三部作」の一つに数えられる教会です。

南仏プロヴァンスの「セナンク修道院」から影響を受けたとされコンクリート打ち放しの礼拝堂と、

躯体に直方体の塔が載り柱廊は、すりガラスの半透過の空間が特徴です。

その名の通り「風」を意識し、吹き抜ける神聖な風をベールで表現しました。

 

神戸で撮影してみない?

 

今回の新郎新婦さんは、結婚式を挙げず写真だけを残す形を選ばれていました。

どうせなら思いっきり写真を残そうと、年間の四季を通して撮影されていて、

春はコスモス、夏は海、そして秋と冬は和装で撮影するのもいいね。なんて話しておりました。

そんな中、関西を拠点にウェディングプロデュースをされている

CLEAR NODEさんとのご縁がありました。

今回の舞台となった「風の教会」でのウェディングをされており、建物を活かしたアーティスティックな

フォトウェディングを一緒に創れないかとの話になったのです。

 

実際に下見に行かせて頂き、六甲周辺もご案内頂きました。

そこは山と海に面した最高のロケーションも沢山あり、また、安藤忠雄氏の手がけた教会ということで、

全国各地から新郎新婦さんが挙式に訪れている事を知りました。

そこで、今回の新郎新婦さんに、秋の撮影は和装と思っていたけどとても素敵な教会を見つけたよ!と

連絡し、お二人も快諾してくださり鳥取から神戸へ撮影に行くことになったのです。

 

今回のテーマは「風」

 

「通り抜ける神聖な風」を意識した柱廊での撮影。

大塚の代名詞でもあるベールを使った表現ですが、今回の撮影はいつもとは異なりました。

昨年受賞したような天に舞う形は、自然の風を活かし靡かせますが、今回は柱廊の中。

そして実際には写真のように強い風は入り込みません。

そこをどう表現するか・・。アーティスティックに最高の一枚を残してあげたい。

「もう1回!もう1回!」そう言いながら何度もベールのカタチにこだわって撮影したのです。

また、新婦さんの綺麗な身体のラインを活かしたかったので、一番綺麗な身体の角度を指示させて

もらい、撮影中頑張って保持してもらいました。一見、自然に立っているように見えますが

実はウエスト、足、背中など、様々な角度に向けているので新婦さんにとっては大変なポーズなのです。

「頑張って〜!」新郎さんもスタッフもみんなで声をかけながら作り上げた一枚でした。

日本人としての挑戦

 

今までどのコンテストも、地元での撮影をした写真にこだわってきました。

それは自分が行動することで、地元鳥取に、地元倉吉に、北栄町に、注目してもらえたら。

という思いがあったからです。その想いは今も変わってませんし、今後も続くものです。

今回、神戸市での撮影の写真を選んだのは、世界中のフォトグラファーが挑戦するコンテストということ、

鳥取だけでなく、日本人としての挑戦であること、など自分自身の視野を大きく広げたことにありました。

また、新たな自分の世界が見え始めており、

その域への挑戦をした結果を知りたいと思ったのもありました。

PPAのコンペで受賞できたことはもちろん大変光栄なことですが、自分自身の写真の技術、表現力を

さらに磨くと決め、昨年から挑戦を始めたこのコンテストだったからです。

 

そして2年連続。最優秀賞!! 本当に嬉しかったです。

初めての場所、アーティスティックにこだわってみた撮影、何度も何度も取り直した一枚。

チーム一丸となって作り上げた一枚が世界で評価されたこと、とても誇りに思います。

 

そしてもう1作品受賞しました!

 

⚫︎MERIT EXCELLENCE COLLEOTION

(メリットエクセレンスコレクション)受賞

『Flapping』

場所 国指定重要文化財 仁風閣

 

こちらは撮影でよくお世話になっている、鳥取市にある国指定重要文化財 仁風閣さんでの撮影でした。

以前、NHK鳥取放送局、全国放送で放送された、

大塚の特集をご覧になられた方は記憶にあるかと思いますが、あの時の新婦さんです!

そう。みなさんが感動したとメッセージを下さった、お父さんとのシーンが印象的だった

あの撮影でのワンシーンが、今回入賞を果たしました!

↓NHK全国放送でも取り上げられたワンシーンはこちら

 

新婦さんが選び抜いたドレスの魅力を

 

仁風閣さんでの撮影の際、大塚はこの階段でよく撮影をさせて頂きます。

長いトレーンが特徴のドレスだった場合は、必須というぐらいここが好きです。

そんな思い入れのある仁風閣さんでの一枚が選ばれたこと、本当に嬉しかったです。

 

新婦を引き立てるドレス、そしてドレスラインを引き立てる重厚感もある階段。

撮影していて毎回感じることは、明治時代の建築物だからこそ空間に歴史も感じ、

差し込む光もどこか懐かしいような、儚いような、それでいて優しい光だと感じます。

 

この日の外は雪景色。前日からの大雪にみまわれた鳥取県でしたが無事に撮影は行うことができました。

しかし気温はかなり低く、肌を露出する新婦さんにとっては過酷な一日でもあったと思います。

その透き通るような空気感、そして純白のウェディングドレスが際立つように撮影をしました。

 

躍動感、神秘性をさらに追求したアーティスティックな世界へ

 

思い返せば、2010年のジャパンウェディングフォトグランプリでの全国4位から始まり、

2014年の日本一を受賞した時、そして昨年からのこのPPAコンペティション、

評価を頂いた写真はほとんどはウェディングベールの動きを表現した作品です。

風を感じる写真、声が聞こえてきそうな写真、今にも動き出しそうな写真、

写真を超えた写真を追い求めている自分がいます。

 

これからも日本一、人口の少ない田舎の鳥取県から、可能性に満ち溢れている世界へ

挑戦し続けたいと思います。

新郎新婦様、そのご家族、また撮影に携わってくださった関係者の皆さまに

心より感謝申し上げます。

ありがとうございました。